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第2話・会ってみない? その8

ผู้เขียน: さぶれ
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-04-20 23:00:42

――ジョーダンだよ。ホントは都内。Mさんの旅費、俺に請求すんのかよ(笑)(玄)

――こっちだってジョーダンですから(◍•ᴗ•◍)(M)

――そっか。それはよかった。じゃ、明日また頑張ろう。嫌なヤツのことは考えるだけMさんの貴重な時間が勿体ない。(玄)

――そうですね。玄さん、ありがとうございます。また、メッセージしてもいいですか?(M)

――モンペに攻撃されたら、愚痴聞いてやるから連絡しておいで。俺の店に飲みに来てくれるなら大歓迎(玄)

――営業うまーい(*´◒`*)(M)

――まあね。また今度誘うから。じゃお休み。(玄)

――はい、おやすみなさい。(M)

 楽しいやり取りをして、Love Seaアプリを閉じた。

 玄さんのお陰で、気分が楽になった。

 他愛もないやり取りにここまで心が癒されるなんて。

 アプリで知り合た人なら、どんなに仕事の愚痴を言っても素性がバレて困ることもないし便利。普段だったら絶対に出来ない。だからこういったアプリの利用が急増しているのかな。

 誰でも人には言えない悩みのひとつやふたつ、時にはそれ以上、抱えているもの。

 玄さんって、一体どんな人なんだろう。ぶっきらぼうな感じだと思っていたけれど、意外にユーモアある人だった。会ってお喋りしてみたいな。

 I.Nさんは、犬のことを話すと嬉しそうにメッセージが返ってくるから犬好きの模様。

 ゆうた君とは、最初はアウトドア中心の話に盛り上がったけれど、最近は他愛もないメッセージを送り合っている。友達にメッセージを送る気軽さがあって、見ているテレビ番組の話とか、お笑いの話とか、本当に内容もない話が多いけれど、お互いそれを楽しんでいる。

 Takaさんは特に食べ歩きの話が多いかな。まあ、最近Takaさんはお仕事が忙しいみたいだから、メッセージの回数は少ない。一度に長文を送ってくれるから、返信に困るから回数は少ない方が有難いと思っている。

 玄さんとは初めて長くやり取りしたけれど、楽しかった。心が疲弊している時だから、余計にそう思っただけかもしれないけれど。

 みんな、どんな人なのかな。

 プロフィール画像だけでは、どんな人かわからない。ゆうた君は年下だからやや頼りない雰囲気に見えるけれど、実際はもっとしっかりしているかも知れないし、I.Nさんは自撮り写真を使っているし、かっこよく映っている写真をプロフィール画像にしているから、きっと素敵な人なんだろうけれど、相性が合うかはまた別だし。

 Takaさんは真面目そうな雰囲気だからお堅い人かもしれないし、玄さんに至ってはマスクで覆われた横顔プロフィール画像一枚きりで、顔が全然分からない。

 まあ、容姿よりも性格が一番よ! 気が合ってお喋り楽しい人がいい。

 前の彼氏はしんどかった。気を遣い過ぎてダメになった。『眞子は本当に自分が無いな』、と一言告げられて終わった恋を思い出した。

 初めての彼氏だったから、彼の好みに合わせようと必死だっただけ。聞き訳がいいフリをして、好きなものは彼好みに合わせ、食事も行きたい場所も、全部あの人の好みに合わせた。

 会話ひとことに気を遣い、ただ必死だった。

 我儘も言えず、可愛い女を無理に演じていた気がする。

 アプリを通じて出会った人たちは、楽しい会話から入った。今のところはフランクに友人の延長のようなノリでやり取りができている。

 全員と会ってみて、この人だ、と思える人を見つけたい。

 それにしても…玄さんは全然メッセージをくれない人なんだと勝手に思ってた。

 私と一緒で淋しい仲間なのかもしれない。もっと玄さんと話してみたいな、と思った。

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    「それより先輩、婚活アプリでやり取りしている他の男性はどうですか? やりとり続いていますか?」「うん、。Takaさんは今度ご飯食べにいこうって約束して、来月七夕まつりが終わったら食事をしようと思っているの。玄さんは飲みに誘ってくれたから、場所を聞いて飲みに行こうかと」「へええ…!」理世ちゃんは嬉しそうだ。「眞子先輩がそんなに積極的に同時進行できるなんて、びっくりしました!」「あ、適度にやり取りしているよ。他愛もない話が多いけど。食べ歩き好きだからっていプロフィール見てくれているから、ご飯行こうってTakaさんが誘ってくれて。玄さんは丁度羽鳥さんに酷いお説教されたときに話聞いてくれたし、悪い人ばっかりじゃないのかな、普段繋がっていない分、逆に本音が言えたりするのかなって思ってる」「I.Nは論外ですけど、素性が解らないっていうのはそういう意味でも今の社会には必要なのかもしれませんね」「そうそう。理世ちゃんのお陰でI.Nさんの動向が知れたし、気を付けなきゃって改めて思った。本名はもう絶対に言わないし、相手の事をもっとちゃんと知ってから、自己紹介するようにする」「先輩…眩しいくらい純粋ですね。本当にI.Nに騙されなくて良かったです!」「そうだね。今は却ってすっぽかされて良かったなって思う。正直、犬のイベントなんか行ってもよくわからなかっただろうし、無理して相手に合わせるのはもう止める。これもいい経験だと思って次に生かすよ。理世ちゃんがいっぱいアドバイスくれるから助かってる。ありがとう」 このしっかり者の後輩のお陰で、I.Nさんのことを引きずらなくてすむ。  あのままだと、私が好みじゃなかったからだろう、とか、どこかで嫌な思いをさせてしまったんだ、とか、そういう風に自己否定につながる考えをしてしまっただろうから。「とにかく、残りの三人頑張って攻略しましょう!」「そんな…ゲームじゃないんだから」  愉快な後輩の言い方よ。「恋愛はゲームみたいなものですよ。上手くクリアして、晴れてお付き合いできるのですから」 成程、一理ある。「

  • 婚活アプリで始まる危険な恋 ~シンデレラは謎深き王に溺愛される~   第3話・まさかの… その3

     「え――っ、ありえなくないですか!?」  月曜日の朝、園に着いてすぐ開口一発。理世ちゃんの文句から始まった。  それは、彼女に日曜日のこと――つまり、I.Nさんが待ち合わせに来なくてゆうた君とデートすることになったと伝えたからだ。「まさかのブッチですか。信じられないっ」 理世ちゃんがめちゃくちゃ憤慨している。「眞子先輩。ちょっとその男のプロフ、見せて頂いてもいいですか!?」「これなんだけど」 ものすごい剣幕なので、私は断れずにLove Seaアプリを開いて理世ちゃんに渡した。「あ――っ、やっぱり!」「どうしたの?」「I.Nさん、アプリ退会してます。急なブッチしたりする人ってワケアリが多いんですよ」「ワケアリ?」「ええ。例えば、奥さんや彼女がいるのに出会い目的で独身と偽ってアプリを利用して、それが伴侶にバレるパターン。それはもう、強制終了ですよ」「きょ、強制終了…」 それは、離婚や別れが待っているということね。「退会までやっているので、今回の場合は違うと思いますが、こういう人もいます。待ち合わせした女性が好みじゃ無かったら、平気でブッチしちゃうんです。あ、眞子先輩は綺麗だから、絶対大丈夫ですけど!」「そっかぁ。やっぱりアプリで素性の知らない人っていうのは、怖いんだね」 胆に銘じておこう。「すぐ退会する人って、意外に自分のSNSの方で連絡ができるようにしているから、多分連絡先突き止められると思うんですよ。ちょっと待っていて下さいね」 理世ちゃんは自分のスマートフォンを取り出し、スゴイ勢いで画面を打ち始めた。トトトト、タタタタ、と画面を高速タップする様子がすごい。一体何をしているのだろうかと、彼女が見せる百面相を近くで見守った。「先輩、I.Nさんってこの人ですか?」 やがてなにか見つけたらしく、画面を差し出して来た。「あっ! そう! この人

  • 婚活アプリで始まる危険な恋 ~シンデレラは謎深き王に溺愛される~   第3話・まさかの… その2

     彼は私の容姿を知らないけれど、私は彼の容姿を知っている。ああやって手を振っていれば、きっと私が見つけてくれると思っての事だろう。「ゆうた君!」 私は彼に駆け寄り、挨拶した。「Mです、初めまして。今日は誘ってくれてありがとう」「えっ。君が、Mちゃん?」 ゆうた君が目を丸くした。「うん、そうだよ」 初対面の人と会ってお話するなんて生まれて初めての事だから、ドキドキして目線を少し伏せた。気恥ずかしくてまともに顔を見ることができない。「Mちゃん、すげー綺麗でびっくりした! ラッキーって言っていいのかな?」 笑いながらそう言ってくれたので、思わず顔を上げて見ると満面の笑みのゆうた君がいた。 プロフィール画像そのままだ。ふわふわと柔らかそうな手触りの髪の毛、くりっと大きな目、人懐っこそうな雰囲気、そのまま。偽りなく登録し、嘘をつかない正直な人なのだと思った。「じゃ、行こう!」 先ずは腹ごしらえだよね、と、連れて来てくれたのは、何とスカイツリーの近くにあるムーミンカフェだ!「可愛いー♡」 思わずハートマークを語尾に付けてしまう程、店内はムーミンで溢れていた。 入る前からお洒落な店舗外観、溢れるムーミングッズ、壁一面に描かれたムーミンの仲間たち! レイクタウンアウトレット駅でI.Nさんと待ち合わせていた時とは雲泥の差のテンションになり、笑顔が弾けた。「急いで予約したんだけど、早い時間だから空いててすんなり入れて良かったよ」 わざわざ予約してくれたんだ、と急な約束だったのに、ちゃんとエスコートしてくれようとする気持ちが嬉しかった。 現在午前十一時を少し過ぎた所だ。一時間前の悲しい気持ちから一転、ゆうた君のお陰で楽しい気持ちになった。ホント、彼に感謝!「Mちゃん何食べる?」「――あの、眞子です。Mじゃなくて、清川眞子と言います」 名前を知って欲しくてつい名乗ってしまった。…いいよね。ゆうた君、いい人だもん。「そ

  • 婚活アプリで始まる危険な恋 ~シンデレラは謎深き王に溺愛される~   第3話・まさかの… その1

     瞬く間に時は過ぎ、一週間なんてあっという間に経ってしまった。今日はI.Nさんとの約束の日。埼玉県越谷市まで東京都足立区から出向く。うーん、やっぱり遠い!  電車に揺られ、予め調べておいた乗り換えアプリで最短移動手段を反芻しながら、約束の十分前にレイクタウンアウトレット駅改札口へ到着。  私の目印は、白のレースのフリルトップスに、黒基調の小花柄のロングスカート、黒のサンダル、ブラウンのリボンが付いた大きめのカゴバックだと伝えてある。見れば解ると思うんだけどな。 Love Seaアプリを開いて、到着しました、と送った。I.Nさんは黒の七分丈のテーラードジャケット、白のカットソーにベージュのパンツを合わせた服装で行くと言っていた。お洒落カジュアルな感じかな。どんな人なのか、待ち合わせの時間が刻一刻と迫る度に、ドキドキと胸が高鳴る。 初めて会う人だけれど、自撮りの写真通り素敵な人なのかな?  犬好きみたいだけれど、会話、ちゃんとついていけるかな?  幼稚園ではパンツルックが多いからあまりお洒落できないし、初対面の人と会うのだからと、今日は張り切ってタンスから洋服引っ張り出して、お洒落したけれど、変に思われないかな? 緊張しながら待つ事十五分。「あの、すみません」 きた――!  「この駅に行きたいのですが、乗り換えが解らなくて、教えて頂いてもいいですか?」 声を掛けて来たのは、初老の男性だった。まさかこの人がI.Nさん――なワケないか。乗り換え方法聞いているもんね。「はい」 見せられた地図を見て、乗り換えの為に降りる駅を教えると、どうもありがとう、と会釈された。  なんか拍子抜け。 そしてまた緊張感を持って待つ。待つ。待つ。  三十分待った。  でも、彼は現れない。 四十分。  五十分。  一時間…。 その間にLove Seaアプリで何度かメッセージを送ったけれど、返事がない。なにかあったのかな? 午前十時を過ぎたので、I.Nさん

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